ゲーム企画コンテストPERACONにおける審査員の問題

注意点

  • 「CEDEC2020のPERACONが参加人数が多すぎて、提出物の質が低くなった」という問題については、書いてません。あくまで審査員の質についてだけを書いています。*1
  • 記事を書くにあたって、審査員は匿名で書きたかったのですが、
    • 審査員全員の名前が公開されていて、中途半端に匿名にしても無意味なこと。
    • 根本的な問題では、反省はしてなさそう。
    • 審査員にも責任があるべきといっていること。

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なので、審査員の実名を出しました。ただ、悪い部分だけをピックアップすることはないように、できるだけ多くのデータを出し、客観的に判断するように心がけました。

はじめに

CEDECというゲーム業界のカンファレンスで、PERACONというゲーム企画コンテストがあります。今年からはCESAというゲーム業界最大の団体の人材育成部会で引き取って、毎年人材を育成するという目的で行っていくことになったようですが、これから挙げる3人の審査員が、

  • ハラスメントの問題(モラルハラスメント・パワーハラスメント)。ゲームクリエイターという以前に、人として失格。
  • 審査の内容のレベルがとても低い

という問題がありました。CESAの人材育成目的と真逆で、むしろ人材が離れていくような内容で、日本のゲーム業界の将来に悪影響を及ぼすと思うので、問題点をまとめました。

(審査員のお一方については、所属先会社の謝罪のコメントがありましたので、この箇所は削除しました)

河上京子氏の問題

CEDEC2020の審査をみたところ、1人「わからない」を連発している方がいました。確かに、今年のPERACONで内容が分からないものは去年より多かったですが、他の審査員が評価していて河上氏だけが「分からない」といったものは多いです。例えば、2020年の上位10位までの企画のうち、河上氏が評価したのは6つありますが、3つ(3位4位7位)が分からなかったようです。「ものすごく分かりやすい企画だけを重視するプロデューサー」という意味で多様性という存在価値があるのかもしれませんが、何が分からないかについて言語化できない方は、仮にゲームクリエイターとして優れていたとしても審査員として不適格だと思います。

2020年に全般についても調べてみたところ、289件について平均7.47文字と、「分からない」「で?」「は?」など、情報がないコメントばかりでした。(2019年については、47件平均13.57文字と、若干マシですが。)
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どういう方なんだろうと思いtwitterを見てみたのですが、この「業界無理だし、田舎帰れ」発言はひどいです。そもそも、何様なんだと思いましたが。しかも、審査委員長自らも煽っていて救いようがありません。
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この方も、ハラスメント体質で、審査員としての能力が低く、不適格だと思います。もしかしたら、遠藤氏の煽りと作品の多さで、正常な判断力を失ったのかもしれませんが、ハラスメントの部分については、同情の余地はありません。

遠藤雅伸氏の問題

PERACON審査委員長の遠藤雅伸氏が最も害になっています。遠藤雅伸氏については、上記2人とは違い、審査でなぜダメかについて理由は述べています。ただ、他が救いようがありません。

まず、上記審査委員長にもかかわらず、自らハラスメントの風潮を作ろうとしたり正当化しようしたりしています。全く気にしていないようなので、恐らくこの文面をみても何が問題なのかは分からないでしょう。
peracon.cesa.or.jp
CEDECのセッション(一般の方は見れない)のほうでも、わざわざプロの最低順位の作品を、会社名をあげ応募者の名前を呼び捨てで、侮辱しています。これもありえないです。教え子だから許してとtwitterで言っていますが、あのセッションをみた人はビリだと晒しあげで侮辱されるんだろうなぁと思うだけです。

最悪なのが、応募者に対して「ゲーム作り諦めてくれ」とか「業界から消えろ」と罵倒することです。最初に言ったように「CESAというゲーム業界最大の団体の人材育成部会で引き取って、毎年人材を育成するという目的で行っていく」ことになったイベントでです。
例えば、PERACON2020で、遠藤氏が応募者に「諦め」と言ったもの6件あります。*2

  • 188位(審査員得点:1点)ジャンル、プレイ人数、プラットフォームを書けと教わったと分かるなんちゃって提案。「湿った雰囲気」というだけで、後はできの悪い既存ゲームの劣化版。こんなシート書いてるようじゃゲーム作り諦めてくれ。
  • 369位(審査員得点:0点)作成中の試行錯誤に疲れてそれ自体を形にしたなんちゃって提案。面白い作品が作れないのなら、作品を出すのもゲームクリエイターへの道も諦めてくれ!
  • 89位(審査員得点:3点)扉を閉めてゾンビから逃げるという、相当に擦られたゴミ。この段階でこんなもの出してくるセンスが、企画能力の無さを露呈している。ゲーム制作は無理だから諦めてほしい。
  • 215位(審査員得点:1点)ドアを閉めることをしめるとした作者の日常。まだ反抗期なのかな?母親を攻撃の対象としている当たりに子供らしさを感じる。企画は新規性も独自性もなく、審査に値しないレベルで、ゲーム企画は諦めた方がよい。
  • 330位(審査員得点:0点)メーターを占めるという謎な状態をしめるとこじつけたやっつけ仕事。小学生の妄想を書いてるだけで、ゲームに必要な情報は説明されていない。審査に値しないレベルで、才能ないからゲーム企画は諦めれば?
  • 142位(審査員得点:2点)タイヤの場合はネジじゃなくてホイールナットなのも調べないダメ学生。ネジを締めるから発想して、タイヤ交換を思いついたのだろうが、そんな作業を切り出して何が面白いのかを考える力がない。ゲーム企画は無理だから諦めろ!

今年の応募数は、583位まで有効なので、平凡ではありますが、絶望的に順位が低いというわけではありません。例えば、89位の作品には、現役のゲームクリエイターの3名の方から「いいね!」がついています。それがだいぶ前に現場からから離れてしまった1人の勝手な判断で、諦めろいうのは、本当にひどいです。

他の方からもご指摘があったのですが、それについても悪びれずに、このような返信をしています。
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このような人物が一番上に立っているというだけで、本当におかしいです。

ありそうな質問や言い訳(順次追加していきます)

PERACONに参加していないのに、口出しするな。なぜ、そんなに気にするのか?

  • ゲーム業界全体に害があります。
    • ゲーム業界の将来を担うかもしれない人材を諦めさせる行動により、直接的に人材が入ってこなくなる可能性があります。
    • 単純にモラルレベルの低いの業界だと思われ、他の業界に人が移ってしまう可能性があります。
  • 誹謗中傷しながら「ハラスメント型の指導」を、業界最大の団体が是としているように見えてもしょうがないので。
  • ハラスメント一般のことですが、はびこると排除が難しいので
    • ハラスメントする側は正義で「常勝」になりやすい。
      • された人が成功したら、「俺がわざと悪役になって奮起させたんだ」となって、正義。
      • された人が失敗したら、「ほら俺のいった通りになった」となって、正義。
    • といったかんじで、ハラスメントする人がいったん高い立場になると、そのまま残れる可能性が高い。なかなか排除されない毒なのです。
    • また、「クリエイターなんで、こういうハラスメントは許されるんだ」と理解した学生が、将来クリエイターになったときに、その傾向をひきついで増えていく可能性はあります。
  • おそらく自分以外の方は意見が出しづらいです。
    • 参加者の方は盛り上がってるので、こういう意見が非常に出しづらい。
    • 日本のゲーム業界の人も、意見が出しづらいと思います。というか、ふぁぼるのさえ避ける人が多いと思います。業界最大団体がバックにあり、また遠藤氏の知名度は高いので。そもそも言いやすかったら、こんな立場についているはずがありません。
    • CESAのお問い合わせページはこちらです。CESA:お問い合わせ

辛口・憎まれ役がいたほうがいい。そのほうが奮起して結局レベルアップになる。

  • 厳しい批評をするなと言っているわけではありません。高いハードルを求めることはできます。問題点を1つ1つ、なぜ高クォリティーに届いていないのか説明していけばいいのです。それは別に罵倒しなくてもできます。
  • 大多数のクリエイターの方は、そんなことをしなくても、良いゲームを作れています。
    • ハラスメント型のクリエイターと、非ハラスメント型のクリエイターが、現在どちらが良いゲームを作れているか比較してみたいです。CESAの研究題材としてどうですか?

業界のプロがクソ忙しい中600近い素人応募に目を通すのだから、暴言が入るのもしょうがない。

  • 全部の作品にコメントを書く義務はありませんでした。暴言書くぐらいなら書かないこともできたはずです。
  • これで多くの審査員のコメントが2020年から悪化しているのであれば、その主張は通るのですが、そんなことはありません。
    • 審査員は2019年は47名、2020年は36名います
      • 2019年に「クソ」とコメントしたのは、遠藤雅伸氏(複数回)を含む2名のみ
      • 2020年に「クソ」とコメントしたのは、遠藤雅伸氏(複数回)を含む3名のみ
  • 他の審査員の方々もコメントも見ましたが、特に問題があったようには思えませんでした。上記の3人だけが2019年も2020年もひどかったです。

単に普段から口が悪いだけで、悪意はそんなにないのでは?

  • 本人の悪意はなくても、ハラスメントにはなるので…。
  • 気になるのが、今回の審査は第3者に対しての審査です。また、学生ではなくプロも参加しています。決して上下関係にないのですが、それでこのありさまです。これがもし上司-部下、先生-生徒の関係だったとしてら、これよりひどいハラスメントをしている可能性はあると思います。

CESAに自浄作用があるのか?

  • たぶん問題があるのには、中の人は気づいていたかと思いますが…。CEDECのセッションをみて不安になりました。
  • 外からコメントするのあれば、CESAのお問い合わせページはこちらです。

CESA:お問い合わせ

(追加)CEDECといえども所詮、一部の内輪グループ、良くも悪くも影響力は少なく、特に大ごとではない。

  • 初期のCEDECでは、開催に貢献した人達の内輪のゲームカンファンスっぽい風潮はありましたが、各社協賛するようになってから随分時間が経ちました。特に事情を知らない外に対しての影響力は大きいと思います。
    • インターネットで調べたところ、今回上げられた遠藤氏は、大学や専門学校での教育にも力を入れていて、CEDECの経歴も載せていたりします。そういった影響力あるゲームクリエイターに、CEDEC委員という立場は、さらなる影響力を加えている可能性があります。
  • ちなみに、CEDECの外で、内輪で同じような企画コンテストをやるのは、問題ありません。例えば、昔あった「マネーの虎」みたいなかんじでやればいいのではないでしょうか?そこで、ハラスメント的指導のほうが優れたゲームデザインができるということを示してほしいです。自分はハラスメントそのものの時点でアウトと考えていますが、指導者と被指導者がどっちも納得であれば、それを阻むことはしません。

(追加)多様性があったほうがいいので、いろんな審査員がいて良い。

  • まず、PERACONの趣旨から、15秒で分かるものということで、「ゲームデザイナーが、上司のディレクターやプロデューサーに新規ゲームを提案する状況」を想定しているのかなと思いました。もし定義が間違ってたらごめんなさい。
  • そう考えると、「何をもって良いとするか」が各ディレクターによって異なるので、多様性を持たせたほうが良いというのは筋が通ります。反論はありません。
  • ただ、ハラスメントをするディレクターや、企画をあまり読んでないディレクターといった、多様性は必要あるでしょうか?避けたほうがいいのでは?
  • もし、PERACONの趣旨が「プレイヤーに受けるゲーム企画」だったら、例えば説明書を全然読まないプレイヤーもいるので、そういう多様性も意味があるとは思いますが、それだったらそもそも一般投票でよい気がします(組織票対策の必要はありますが)。

(追加)ゲーム業界はハラスメント体質があるのか、こわい・行きたくない。

  • 多くの会社は、大丈夫です。
  • ゲーム業界は非常に狭く、悪名はすぐに広まります。なんで中にいれば、ハラスメントをする人・会社の噂というのはある程度分かるので、それを避けることは可能です。私見ですが、ハラスメントする人同士が固まる傾向があるので(今回の上記の2人のツイッターのやりとりを見れば分かると思いますが)、そういうところはできるだけ避けましょう。
  • ただ、新卒のときは職場をそれほど選べず、そういうハラスメント指導をするディレクター・プロデューサーが運悪く上司になってしまうかもしれません。そのときは、度胸がある人なら、
    1. 本人に直接問題を指摘する→
    2. まぁ大抵直らないので、その上司に指摘する→
    3. だめなら上司の上司に相談する→
    4. それでもダメなら転職することにしましょう。
  • 世の中、たくさんいいゲームクリエイターがいるのに、そういう人に振り回させるのは人生のムダです!
  • また、度胸がない人は最初から(4)でいいです。ガマンして心や体を壊すのに比べたら、ずっとマシです。

(追加)遠藤氏の発言は、口は悪いけど、その裏にはちゃんと愛が含まれてる。厳しく接してくれる方が懐いてくる学生は多いと思う。

  • 暴言や暴力に愛があるというのは、ハラスメントする側の言い訳の常套手段です。
  • 実際、遠藤氏が他のイベントでも、学生を罵倒したという、タレコミはいただきました。(主催者側は、遠藤氏のそういうハラスメントを期待してはいませんでした。)

改善案

  • まず、上記の3名は審査員から外すのが一番良いと思います。他に審査員の方はみんな良いですし、この3名がいなくてもプロデューサーの多様性は確保できるでしょう。
  • 簗瀬氏の記事 PERACON 2020 審査を終えて|Yanace|noteは、本当に分かりやすく中身も濃く、参加者への配慮がみられます。簗瀬氏を審査委員長にするのが一番良いと思いますが、忙しさなど諸事情はあると思うので、残りの審査員の方で今後のことは相談して決めたら良いと思います。
  • 今後、問題のある審査員が入ってくるもゼロではないので、ガイドラインを用意しておく必要があるとは思います。

参考資料

PERACON2020の統計情報(上記で述べた通り、審査するしないは自由だったようなので、コメント数が少ないこと自体は問題ありません)
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PERACON2019の統計情報
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*1:作品の質の話もすると議論が分散してしまうので、それを避けました。なお、自分自身は、審査員コメントだけでなく作品自体もかなりチェックしていますが、今回の問題は作品の質とは独立した問題なので、記事内では作品の質については必要のない限り触れていません。

*2:なお似たような意味のコメントは他にもありますし、2019年のコメントにもあります。